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三重県は「ホンダの県」だ。三重県には鈴鹿サーキットがある。鈴鹿市稲生町にある。全長5.807km。1962年開業。創設者は本田宗一郎。ホンダの創業者。本田宗一郎は言った。「レースをしなければ、車は進化しない」。鈴鹿サーキットは、ホンダのテストコースとして作られた。つまり、鈴鹿サーキットは「製品開発の場」。娯楽施設ではない。三重県民、特に鈴鹿市民にとって、モータースポーツは「仕事」。鈴鹿市の人口は約19万人。そのうち多くが自動車産業に従事している。鈴鹿市は「モータースポーツの街」と呼ばれる。市内にはモリワキエンジニアリングなど、レーシングパーツメーカーがある。鈴鹿市民は、車とバイクを「作る」人々。しかし、「趣味で乗る」人は少ない。なぜか?鈴鹿市民にとって、車は「職場」。仕事が終わったら、車から離れたい。休日に鈴鹿サーキットに行くことは、「職場に行く」ことと同じ。三重県民は、名古屋まで約1時間、大阪まで約2.5時間という恵まれた立地にいる。しかし、三重県民の多くは「モータースポーツを見る」ことに慣れている。「モータースポーツをする」ことには慣れていない。鈴鹿サーキットは国際的なレース(F1日本GP、鈴鹿8耐)を開催する。三重県民は、世界最高峰のレースを「地元で」見られる。しかし、それは「プロの世界」。自分たちの世界ではない。

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